足の速さも スタート地点も
違うとこから ヨーイドン
蛍が飛んだ/4ma15
最近見つけた曲なんですが、歌詞が異様にささるんですよね。前を向いてもどうしようもなく、後ろを見ても満たされない。すでに歓声が聞こえるゴールに向かって、歩き続けるしかない。
自分の磨き上げた武器は現実の前では歯が立たず、せめて追い越されまいと踏み出すけれど、満身創痍の自分に鞭を打つのも火に油。躓いて転んでしまう。
そんな身の上を蛍が飛んだ。僅かだけれど確かな光を身に宿した、蛍が飛んだ。嘲笑うかのように蛍が飛んだ。その光を手に入れることができたならば、どれほどいいだろうか。
そんな感じの曲。
平等なんて言葉は所詮空想論でしかなくて、精神論ではどうにもならない。自分なりに頑張っているのに、遥か遠い光を見ては絶望してしまう。光に届くのはほんのひと握り、いや、ほんの爪の先にしかのらない程度でしかなくて、誰だって足掻いているのだとしても、“誰か”がどうしていようがどうでもよくて、ただただ嘆きたくなる。
立ち止まってしまいたいけど、取り残される恐怖に震えるよりは、歩き続ける方がまだマシだと思い込んで、一歩また一歩と歩き出す。でも、3歩歩くと重たい足をあげる力も無くなって、歩き出したことを後悔する。
ふわりふわりと、蛍のように飛んでゆけたのなら…その眼には何が映るのかな。