誰かを信じるということは自分を信じることなのだとずっと思っていた。誰かに打ち明ける時信じるのはその誰かではなくて、打ち明けて最悪な場合が起こっても自分で対処できることこそが信じるということで、その関係を信頼と呼ぶのだろうと思っていた。
でも多分違う。自分じゃどうしようもないことを相手に頼ることが信じることで、信頼なのだろう。僕はそのことに気づくまでに随分と時間がかかった気がする。
そもそも独りよがりだったんだ。思い上がりだったんだ。自分じゃどうにもならないことなんて沢山ある。自分でどうにかできるのなら頼ることなんてないし、裏切られても自分で対処できるのならそれは信頼ではなくて信仰だろう。
そのことに気づけたことは僕にとって大きなことだ。
ただ、それだけじゃ足りない。僕には致命的な欠陥がある。人に頼る方法を知らない。誰かを信じることが怖い。裏切られそうだからじゃない。失望されそうで怖い。
こんなことで悩んでいるのか。どうして今まで話さなかった。自分でどうにかできるとでも思っていたのか。甘えているんじゃないか。
そんなのはわかってる。わかっててもどうしようもないんだ。どうしたらいいかわからない。それを突きつけられそうで怖い。
優しい言葉が欲しいんだよ。頑張ったねって。言われたいんだよ。きっとまだ僕の信頼は歪んでる。頑張ったねって言ってくれそうな人を探してる。