Ms.teryさん

気の向くままに

才能なんか

追い詰められていけばいくほど、ネガティブな感情の供給が追いつかなくなる。悲しみや不幸、苦痛、逃避願望、自暴自棄、自己嫌悪。そういったものが僕に追いつかなくなる。そうして感情そのものに対する言葉が見当たらないことに気づく。

苦しくて逃げ出したいはずなのに、何から逃れればいいのかわからなくなる。けれど確かにそこには恐怖がある。無知からくる恐怖ではない。もっと具体的な恐怖で、もっと本能的な恐怖。僕はそれを知っていて、でも言葉で言い表すことができない。

 

才能が羨ましい。僕に才能なんかない。

「よく言葉にできるよね」「その語彙力分けて」「感覚的に言葉を選べてる」「さすがはポエマー」「君はすごいよ」

そんなこと言われるけれど、実際にはそんなことなくてこの感情を言い表すことができるほどの才能なんか持ち合わせていない。

 

辛い時に辛いと面と向かって言えないから、こうやって書き溜める。実際にはノートに書いたりしている。手軽に思い出せるようにスマホにおとしたりする。そうやってできるだけ負担を減らす。

でも言葉で表せない時はどうしたらいいのだろうか。こういう時は決まって壊れる。僕を保てなくなる。僕はすごくなんかない。才能があればこんなこんな感情を歌詞にでも小説にでも落とし込めるだろう。

 

誰かが言った。

厭世と多幸は表裏一体だと。

その言葉を信じて僕はまだ厭世にも立ち向かえる。