Ms.teryさん

気の向くままに

2021-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『世界から猫が消えたなら』

著者、川村元気。 川村元気、どこかで聞いたような名前だと思ったら『四月になれば彼女は』の著者でもあるらしい。内容は微かにしか覚えていないけれど、旅の中で大切なものに気付かされるような物語だった気がする。 この『世界から猫が消えたなら』も大切…

良くも悪くも

いつかの記事に“いただきます”と“ごちそうさま”だけは忘れず、意識的に生と向き合いたいと書いた。 昔から気をつけていたことにはいたが、その記事で言語化した後、その言葉たちを欠かすことがほとんどなくなった。やはり、言葉にするというのは一種の具体的…

「君が電話をかけていた場所」「僕が電話をかけていた場所

三秋さんの本を読み返している。 今回は『君が電話をかけていた場所』『僕が電話をかけていた場所』を読んだ。多分一冊の物語が大人の事情によって2つにされたのだと思う。僕は一冊にまとめてもいいのにって思った。 まあそんなことは置いておいて、読んだ…

240円。

ほんの5分前、僕は240円で幸せを買った。 甘いピーチティーとマルゲリータ風味の細長いお菓子。幸せという括りの中では微々たる幸せだろう。でも、綺麗な水も十分な食料もない環境であるなら大いな幸せとなる。 まあ幸せの比較など意味のない話だが…というこ…

ついさっき絶望した。 僕は蝉が好きな少年だった。 虫取り網を持って捕まえては籠に入れ、気がつけば蝉で溢れていた虫籠を家に持ち帰り、父にうるさいとこっぴどく怒られることもあった。 あんなに綺麗に抜け殻を残すものだから、一つ一つ違いはあるのだろう…

偽善でいい

綺麗事ってなんとなく正しい感じがする。自殺はいけない、差別はいけない、いじめはいけない、ルール違反はいけない、親不孝や暴力もいけない。そうなればみんな幸せになれる。だから、そうあるべきなんだ。 そう叫ぶのはただのオナニーだ。自慰と一緒だ。綺…

行動基準

愛している人がいるとする。 その人をどのくらい好きなのか言葉で表すのは、この世で猫に名前をつけることの次くらいには愚かな行為だ。 (飼い猫に名前をつけるのは愛情表現や躾など役に立ち、便利であるので必要ではある) 猫に名前なんてつけたら、自由気ま…

「生きてるだけでえらいよ」

聞いて、私さ、この前自転車にぶつかりそうになったの。おじさん怒って、「危ねえだろうが!前見て歩け!」って。 でもさ、なんか無理なの。顔上げる気力がないの。歩く元気もないの。でも帰んなきゃいけなくて、足って勝手に進まないんだなって思った。横断歩…

雨が好きだ。 匂い、音、感触、軌跡、どれをとっても素晴らしい。 不思議と鼻に残る雨の匂いは、あの日を思い出させる。周りの音がかき消され、世界が遠のいていく。そして雨は僕の肌を打ち、真っ黒く染まった心にまで染み渡る。このまま溶け出してしまいた…